乳がんの基

乳がんは早期発見で治癒できるって知ってますか!?

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有名人の乳がんに関する報道が増えています

最近、テレビや雑誌などで「乳がん」に関する報道が多くなってきています。

特に芸能人や有名人の方が乳がんを発症した場合、入院中の様子やご本人・家族のコメントが報じられます。
タレントであり、歌舞伎役者・市川海老蔵さんの奥様でもある小林麻央さんもその一人です。
小林麻央さんは2010年1月29日に海老蔵さんとの婚約を発表、同年7月29日に挙式、結婚披露宴を行いました。
翌2011年7月には第一子である長女、2013年には第二子の長男を出産し、長男の勸玄(かんげん)くんは、その歌舞伎役者デビューも大々的に報じられるなど、ご家族の活動は常に注目を浴びることに。
しかしその3年後の2016年6月、海老蔵さんが記者会見を行い、麻央さんが乳がんを患っていることが発表されました。
以降、マスコミによる取材・報道は過熱を極め、海老蔵さんもそんな状況に苦言を呈しています。何しろ麻央さんはがんを発症しており、治療に集中しなければなりません。
そんななかで、本人だけでなくご家族にもマスコミが取材に押し掛けるという状況は、「命に関わることなのだから」と抗議せざるをえなかったことでしょう。
その麻央さんは発表から約3カ月が経った9月1日、『KOKORO』というタイトルのオフィシャルブログを始めています。
第1回「なりたい自分になる」では、がんを患ってから1年が経っていることが明かされ、抗がん剤治療によって髪の毛が抜け、かつらを着けている姿も公開されました。
今後は乳がんが発見された時のこと、治療の過程などをブログで綴っていくとのことです。


また海外では、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のため、2013年5月に乳腺切除の手術を受けたことも有名です。
ジョリーさんは乳がんと卵巣がんの発生が高い遺伝子に変異があり、医師から「乳がんになる可能性は87パーセントの確率である」と診断されたことが、手術を決意したキッカケだったとのこと。
さらに乳線切除の2年後の2015年3月には、卵巣と卵管の切除も公表。その後はパートナーのブラッド・ピットさんとの仲睦まじい姿も多く報じられています。
もともとジョリーさんの家系には乳がん・卵巣がんで亡くなった方が多かったことから、予防のための手術を受けたようです。
日本ではその直後、がん研有明病院が乳がんを予防するための乳房の切除・再建手術の臨床研究を病院内の倫理委員会に申請する方向であることが報じられました。
こうした動きは「アンジェリーナ効果」(The Angelina Effect)と呼ばれるほど、ジョリーさんの手術の発表は大きな影響を及ぼしています。

急激に高まる乳がん患者数と死亡率

ではなぜ、これほどジョリーさんの予防手術の発表、小林麻央さんの治療やブログが注目を集めているのでしょうか。
それはここ数十年で、乳がん患者数と死亡率が急激に高まっているからです。
以下、乳がんに関するデータを見ていきましょう。
国立がんセンター がん対策情報センターが発表しているデータによれば、1975年から患者数と死亡者数は次のように変動しています(数字は推計)。

  患者数 死亡者数
1975年 11,123人 3,262人
1980年 14,447人 4,141人
1985年 20,296人 4,848人
1990年 24,697人 4,922人
1995年 31,174人 7,763人
2000年 37,389人 9,171人
2005年 52.211人 10,721人
2010年 68,071人 12,454人

1975年から2010年までの間に、乳がんの患者数は約6倍、死亡者数は約4倍に増加しています。
また、2012年時点での男女別「部位別がん患者数」のランキングは次のとおりです。

  男性 女性
1位 胃がん 乳がん
2位 大腸がん 大腸がん
3位 肺がん 胃がん
4位 前立腺がん 肺がん
5位 肝臓がん

子宮がん

女性がかかるがんの1位は乳がんで、2位の大腸がんと比較しても患者数は1万人以上の差があります。現在では、日本女性の12人に1人が乳がんにかかると言われています。
なかでも、30~60歳の女性が乳がんにかかる率が最も多く、特に30代後半から急激に増え、40代後半と60代前半にピークがやってきます。
海外のデータでは、たとえばアメリカの統計では8人に1人が乳がんにかかるとされています。しかしアメリカやイギリスなどでは最近は年々、乳がん患者の死亡率は減少傾向にあります。

乳がんの早期発見・早期治療の重要性

乳がんは女性のみがかかる病気というイメージが強いですが、男性も乳がんを発症するケースはあります。
比率でいえば乳がん患者さんのうち、男性の割合は0.8パーセントと低いですが、全くいないわけではありません。男性乳がんの患者さんの多くは60~70歳の方です。
男性乳がんは女性よりも予後不良になりがちというデータもありますが、それは男性の場合、女性と比べてがん発症に気づくのが遅く、治療の開始も女性と比べると遅くなってしまうためだと言われています。
とはいえ、乳がんに関しては早期発見・早期治療が大きな影響を及ぼすことは、女性でも男性でも変わりません。
2014年に厚生労働省が発表した、「人口動態統計」における、主な部位別がん死亡者数のデータを見てみましょう。

  男性 女性
1位 肺がん/52,505人 大腸がん/22,308人
2位 胃がん/31,483人 肺がん/20,891人
3位 大腸がん/26,177人 胃がん/16,420人
4位 肝臓がん/19,208人 膵臓がん/15,305人
5位 前立腺がん/11,507人 乳がん/13,240人

上記の患者数ランキングと比較して、何か違いに気づくでしょうか。
男女ともに、患者数ランキングと死亡者数のランキングが異なっているのです。
特に男性のほうは順位が少し入れ替わっているぐらいなのですが、女性は大きな違いが見られます。
患者数では1位であった乳がんは、死亡者数では5位なのです。
しかも患者数では2位の大腸がんと、1万人以上の差があったにも関わらず。
データのみをもとにして一概に言えるわけではありませんが、その要因のひとつには、乳がん検診の普及や啓発運動があると言ってよいでしょう。
乳がんは、その原因がはっきり解明されていない病気のひとつです。
発症については女性ホルモンの影響が大きいと考えられていますが、研究によって以前は要因とされていたものが、そうではないと結論づけられたケースもあり、まだまだ研究の余地が大きいのが乳がんという病気です。

早期発見で90パーセントは治癒できる

そこで乳がんに関しては、早期発見・早期治療が最も重要になってきます。
早期発見であれば、90パーセント以上の人が治癒すると言われているほどです。
日本乳癌学会の発表によれば、乳がんの「10年生存率」に関して以下のようなデータが出ています。
乳がんのステージは大きく5つの病期(ステージ)に分けられ、どのステージで発見されるかによって、生存率が如実に変わってくるというものです。

ステージ 状態 生存率
0期 非浸潤がん 95.45%
Ⅰ期 2cm以下でリンパ節への転移がない 89.10%
Ⅱ期 2cm以上and/orワキのリンパ節への転移がある 78.60%
Ⅲ期 5cm以上でワキのリンパ節への転移がある、皮膚に及んでいる 58.74%
Ⅳ期 他の臓器に転移している 25.49%

この数字を見ても、どれだけ初期にがんを発見することが大切なのかが分かります。
0期の発見であれば、生存率が約95パーセント。つまり乳がんは早期発見によって、適切な治療を受ければ、ほとんど生命に影響を及ぼさず治癒できる病気なのです。

前述のとおり、乳がん検診の普及と啓発運動は、乳がん患者の死亡率低下に大きな効果をもたらしていくといえるでしょう。
2000年からスタートした、早期発見・早期診断・早期治療を推進する「ピンクリボン活動」はその最たる例です。
乳がん検診には「視触診」「超音波(エコー)」「MRI」「マンモグラフィ」などがあります。
マンモグラフィとは乳房のX線撮影です。この検査が乳がんの早期発見率を上げたとも言われています。
とはいえどの検査にも長所と短所があり、ひとつの検査で「異常なし」と診断されても、他の検査によって乳房に異常が見つかる場合もある、ということは理解しておかなくてはなりません。
マンモグラフィとエコー検査の併用が発見率を最も高めるというデータもあります。
2007年7月から2013年3月には、厚生労働省による乳がん検診に関する国家プロジェクト、「J-START」が行われました。40歳以上の女性を対象に、関係医療機関・団体の協力を得て、日本全国で乳がんの対策型健診を行ったのです。
その結果、乳がんの早期発見には、マンモグラフィとエコー検査の併用が有効であるとのことで、これは海外の論文でも報告されています。
現在では乳がん検診ではふたつの検査を行う病院も多く、また併用を推奨している自治体もあるほどです。

乳がん検診にかかる費用は、方式・受ける病院・検診を行う自治体によって様々です。
なかには乳がん検診の費用負担がない自治体もあり、そうなると全額自己負担となります。
40歳以上の方だと、自治体による検診を2年に1度受けることができ、その場合は費用の自己負担額も少なくて済むでしょう。
また、本人や配偶者が勤務する企業の健康診断で、乳がん検診を受けることもできます。

日本の女性に推奨したい、乳がん検診

日本の乳がん検診受診率は、海外の先進国と比較しても低いと言われています。
OECD(経済協力開発機構/ヨーロッパ諸国を中心に34カ国の先進国が加盟)の調査結果には、次のようなデータが出されています。

乳がん検診受診率の国際比較
オランダ  87.60%
アメリカ  80.40%
フランス  75.40%
イタリア  70.00%
韓国  63.60%
日本  36.40%

ピンクリボン運動をはじめとする啓発活動によって、乳がんに対する認識・検診の受診率が高まったとはいえ、国際的に見ればこれだけ受診率が低いのが現状です。
そこで、検診の受診以外で皆さんに始めてほしいことは、「自己検診」です。
自己検診にはいくつかのポイントがありますが、いずれにしても自分で異常を発見した場合は、早めに医療機関で乳がんの検査を受けてください。
異常を感じてもそのまま放置していては、自己検診の意味はありません。
ここまで述べてきたように、女性にとって乳がんは最も注意すべき病気だと言えます。
しかしながら早期発見で治癒できるがんでもあります。
ぜひ乳がんに対する認識や知識を高め、検診など乳がん対策に取り組んでください。

 

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