乳がんの基

浸潤がんと非浸潤がん~自分に合った乳がん手術を受けるために

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女性がかかるがんのうち、最も多いのは乳がん

乳がんは女性にとって怖い病気ナンバーワン

平成27年(2015)厚生労働省、人口動態統計の年間推計によると、主な死因の死亡数は

第1位:悪性新生物(がん、肉腫)37万人
第2位:心疾患 19万9000人
第3位:肺炎 12万3000人
第4位:脳血管疾患 11万3000人

と報告されています。

乳がんで亡くなる女性は2013年には1万3000人を超え、35年前と比べると3倍以上に、厚生労働省が発表した「人口動態統計」では、2015年の乳がんによる死亡数(女性)は13,584人(確定数)と、残念ながら増加し続けています。

女性

乳がんを患うと女性の象徴ともいえる乳房に傷が残ること、生涯再発の不安を抱えるなど大きなリスクを背負うことになります。
ひと昔前、乳がんの手術は胸の筋肉を含む乳房全体を摘出するのが一般的でした。
現在では研究が進み、胸の筋肉までごっそり取り除かれることはほとんどありませんし、乳房を残す手術や乳房を再建する手術もよく行われるようになってきました。
が、やはり大切な乳房に傷が残ると想像以上にショックは大きいものです。
乳がんの治療を受けた人の声には切実なものがあります。

「お洒落が大好きだったのに、胸元が開いた服が着られない」
「わかってはいるけれど、やはり自分の裸を見ると悲しくなる」
「楽しみだった銭湯、温泉に行けない」
「人前で着替えられないので、友達と旅行へ行く回数が減った」
「補正パッドや補正下着がわずらわしくて、外出するのが億劫」
「女性としての自信を失った。もう恋愛も結婚も諦めた」

乳がんイラスト

一般的ながんは手術や治療を終えて5年が経過して、何の問題もなければ「がんが治った」と考えるものが多いのですが、乳がんの場合は必ずしも5年経過すれば再発の心配はない、とはいえません。

乳がんにはさまざまなタイプのシコリがあり、手術から5年過ぎてから再発、なかには20年以上経過してから再発してくるようなものもあるからです。

浸潤がんの大きさも関わる乳がんのステージ

浸潤がんとは、増殖したがん細胞が乳管の壁を破って周辺の組織まで広がったものをいいます。
この場合、検査しても見えない微小ながんや、他の部位への転移を疑う必要があります。

女性後姿

シコリの大きさ(予測ができる場合は浸潤がん部分の大きさ)とワキのリンパ節への転移状況によってステージ1~4に分類され、数が大きくなるほど進行していることを意味します。
※非浸潤がんの場合はステージ0

乳がんのステージ

ステージ0 非浸潤がんで、乳管の中だけに留まる乳がん。
ステージ1 シコリの大きさが2cm以下でワキのリンパ節に転移していない。
ステージ2A シコリの大きさが2cm以下、ワキの下のンパ節に転移している。または、シコリは2.1~5cmで、ワキの下のリンパ節に転移がない。
ステージ2B シコリの大きさが2.1~5cmで、ワキの下のリンパ節に転移がある。
ステージ3A シコリの大きさが2cm以下でも、ワキのリンパ節に転移があり、さらにそれがお互いに癒着していたり、周辺の組織に癒着している。または胸骨の内側のリンパ節が腫れている。もしくはシコリの大きさが5cm以上である。
ステージ3B シコリの大きさやリンパ節転移の有無に関係なく、シコリが胸壁に癒着している。または、シコリが皮膚に露出して皮膚が崩れたりしている。
ステージ3C シコリの大きさに関係なく、ワキの下、胸骨の内側、両方のリンパ節に転移。または鎖骨の上下のリンパ節に転移している。
ステージ4 乳房やワキのリンパ節以外の、肺・肝臓・骨などの臓器への転移を伴う遠隔転移がみられる。

ステージ分類を気にする人は非常に多いですが、乳がんに関してはステージよりも、どのような性格なのかを判断することが重要と考えられています。

浸潤がんと非浸潤がん

がん細胞が乳管や小葉の内部にとどまっているものを「非浸潤がん」、これらを包んでいる膜を突き破って外へ出たものを「浸潤がん」といいます。
最終的に判断されるがんの大きさは、浸潤がんの大きさで判断されます。

乳がん手術は「浸潤がんと非浸潤がん」も基準のひとつ

触って1センチしかない乳がんでも、浸潤がんの広がりが5センチの場合、それは5センチの乳がんということになり、MRIの検査で7センチの広がりがあっても、それが全部非浸潤がんであれば(浸潤部分が0センチなので)、0センチの乳がんとなります。

乳がんの手術には、シコリを含むに優先の一部を切除する乳房温存術と、乳房全体を取り除く乳房切除術(全摘出)があります。
乳房温存術は、シコリの大きさ(もしくはがんの広がっている範囲)が3センチくらいまでの場合に適用されます。

手術相談

一般的に「早期発見であれば乳房を残すことができるのではないか」というイメージがありますが、温存するか全摘出するかは浸潤がんと非浸潤がんの広がり、存在範囲によって決まってくるため、早期発見=温存可能、と断定はできないのです。
非浸潤がん(=ステージ0の早期乳がん)であっても、広がっている範囲が広ければ乳房を全摘せざるをえません。

乳がんの再建手術について

「乳がんの手術をすると大きな傷跡が残る」
これは肉体ばかりでなく心にも大きな影響を及ぼすものです。
なかには乳房にメスを入れたくない、という理由で治療を躊躇する人もいるでしょう。

しかしがんは次第に悪化し、最終的には命を落とすことになりかねません。
乳がん手術で失った乳房を形成外科の手術で取り戻すのが乳房再建です。
再建された乳房は完璧に元通りというわけにはいきませんが、なくしてしまった乳房が戻ることで心身に良い影響を及ぼすことが期待されています。

手術

早期の乳がんの場合、乳房切除と同時に再建手術を始めることができます。
一般的には組織拡張器(エキスパンダー)というシリコン製の水風船のような
医療器具を入れておき、外来で生理食塩水を入れて皮膚を拡張させてから人工乳房(インプラント)か自家組織で再建します。

人工乳房による再建

組織拡張器で皮膚を拡張させたあとに、シリコンでできた人工乳房を胸の筋肉の下に埋め込みます。
この方法は体の他の部分に傷をつくらなくて済むという大きなメリットがありますが、再建する乳房の形がある程度決まっているため、左右の乳房の形や大きさが違ってくる場合があります。
※手術で反対側の乳房の大きさを調整して左右均等にすることができます。

自家組織による再建

自分の皮下脂肪や筋肉などを胸に移植して乳房を再建する方法です。
自分の組織なので異物反応を起こすことなく、放射線治療にも対応できますが、体の別の部位から組織を採取するために、採取した部位に傷が残るというデメリットがあります。

乳頭、乳輪の再建

乳房のふくらみを再建してから6カ月くらいで乳首の再建が可能になります。
再建した乳房の皮膚を星形に切って形成する、反対側の乳頭を半分移植するなどの方法があります。

乳房

やはり早期検診・早期発見・早期治療を・・・

乳がんは非常に身近な、そして怖い病気ではありますが、定期検診やセルフチェックを受けていれば早期発見、早期治療も十分可能です。

また、乳がんの治療方法は日進月歩。
さまざまな治療法が研究、実践され乳がんにかかっても前向きに生活している方がたくさんいらっしゃいます。
大切な乳房、命を守るためにも乳がんの三大アーリー「早期検診」「早期発見」「早期治療」をしっかり実践していきましょう

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