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乳がんの早期発見は自己検診から!

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乳がんに関するニュースで「シコリ」という言葉をよく耳にすると思います。
この記事を書いている2016年9月段階で、乳がんで入院中の小林麻央さんが、ブログで「シコリ」を発見した時のことを綴っています。
まず夫の歌舞伎役者・市川海老蔵さんと人間ドッグを受けた際、医師から「左乳房に腫瘤(しゅりゅう)があります」と、よりしっかりとした検査を薦められたということです。
腫瘤とは、身体の表面や内部に出来た「かたまり」のことを指す医学用語で、これを一般的に「シコリ」と呼んでいます。
つまり、乳房に腫瘤があるというのは、乳がんの可能性がある、ということです(もちろんがんではない良性の腫瘤もたくさんあります)。

そこで麻央さんは再検査を行い、触診・超音波・マンモグラフィなどの検査の結果、その時は「がんを疑うようなものではない」との診断結果を受けました。
しかしその後も何気ない時に左の乳房を触ってみるようになり、結果、大きなシコリを発見した時のことを、次のように書いています。

2014年10月のある日、
息子と遊んでいたときのこと、
何気なく、
胸元から手を入れて、
左の乳房を触りました。
どきっ。
いきなり
本当にパチンコ玉のようなしこりに
触れたのです。
(中略)
悪性だと、しこりが動かない
良性だと、しこりが動く
と聞いたことがあったので、
確認しようと思いましたが、
これは、
動いている、と言うのか、
動いていない、と言うのか、
全く分かりません。
ただ、
動いてほしいので、
無理やりでも動かすように
思いっきりしこりを押しました汗
(小林麻央オフィシャルブログ「KOKORO.」より原文ママ)

麻央さんは再び検査を受け、医師から「脇のシコリには気づいたか」と指摘を受けたとのこと。こうした麻央さんがブログには、乳がんを発見するために役立つことが多く記されています。

そこで今回は、乳がんのシコリと自己検診に関して説明していきましょう。

乳がんに気づく症状とは?

乳がんは早期発見によって、適切な治療を受けると、ほとんど生命に影響を及ぼさず治癒できる病気です。
早期発見のための方法としてはやはりきちんと検診するということが何よりも重要ですが、乳房は身体の表面にある臓器なので、自分で触ることができる数少ない臓器です。そこで、定期的な検診受診にくわえて、自己検診をおこなうことが大切です。
自分自身で定期的に乳房を調べ、異常を発見した際は医療機関で検査を受ける必要があります。
麻央さんはこの自己検診で大きなシコリに気づき、検査を受けています。

早期の乳がんは自覚症状がほとんどなく、がんに気づくことは難しいでしょう。しかし、がんの進行とともに、シコリだけでなく以下のような症状が現れるようになります。
次のような症状がひとつでも現れ始めたら、すぐ専門医に相談して検査を受けてください。

・乳腺(乳房)のシコリ
・乳頭からの分泌物
・乳頭や乳輪部のただれ
・乳房のえくぼ(引きつれ)
・乳首の変化
・皮膚の変化
・脇の下の腫れやシコリ
・乳房の痛み

乳腺(乳房)のシコリ

乳腺にできるシコリの約90パーセントは良性だといわれています。乳腺症など良性の病気にもシコリは見られます。良性の病気と乳がん、各々のシコリの違いは次のとおりです。

良性の病気のシコリ
比較的、弾力性があり、コロコロと動く傾向にある。

乳がんのシコリ
ゴリッとしていて、かなり硬い傾向にある。
周囲の組織に癒着するため、あまり動かない。

脇の下のリンパ節にがんが転移した場合は、乳房にシコリがなくても、脇の下にシコリが見つかる場合もありますのでご注意ください。

乳頭からの分泌物

乳頭をつまんでみると、左右の乳頭どちらか片方のひとつの孔から、血液が混じったような茶褐色の分泌液が出た場合は、乳がんの可能性が出てきます。
しかし乳がんだけでなく次の要因でも、乳頭からの分泌物が出ることもありますので、ご注意ください。

乳頭から分泌物が出るケース
乳管内乳頭腫などの良性のシコリ、ホルモンの変化、降圧剤、抗潰瘍薬、抗うつ剤、睡眠薬などの薬の副作用など。

乳頭や乳輪部のただれ

乳頭や乳輪部に、湿疹やただれが出来ている場合は、乳がんの可能性があります。
そのただれが治らず、かさぶたが出来て、そこに再びただれが起きる、ということを繰り返した場合は、早期乳がんのひとつ「パジェット病」の疑いが出てきます。
パジェット病はシコリを作らないがんなので、シコリのみを見ていてはわからない点に注意が必要です。

乳房のえくぼ(引きつれ)

がんが進行して悪化した時に、乳房にえくぼのようなへこみ(引きつれ)が出来ることがあります。乳房のえくぼは、鏡に映したり、両腕を上げたりするとわかる場合があります。

乳首の変化

乳首が極端にへこむ(陥没する)、引きつれる、向きが変わる、左右の乳首の高さが異なるなど、こうした場合も症状も乳がんの可能性があります。

皮膚の変化

皮膚が赤っぽくなってむくんだ感じに腫れる、皮膚にオレンジの皮のような凹凸が現れる、皮膚が熱っぽく感じられる、など。
これらの症状も乳がんの疑いがあります。がんが皮下のリンパ管に浸潤した場合に見られる症状です。がんと無関係な炎症でおこることもあります。

脇の下の腫れやシコリ

脇の下に腫れやシコリが感じられたら、乳がんが脇の下のリンパ節に転移した可能性が出てきます。ただし、がんとは無関係な炎症などでもリンパ節が腫れることがあります。

乳房の痛み(ほとんどの場合乳がんの症状ではありません)

乳房に痛みを感じたことがキッカケで、乳がんが発見されることもありますが、がんのせいで痛みを感じることは通常ありませんので、痛みはほとんどの場合乳がんの症状ではありません。痛くて調べたら乳がんが発見されても、がんのせいで痛いわけではないのです。
通常は、月経周期などに代表されるような女性ホルモンのバランスの変動により痛みを感じるものが大半です。その他には乳腺炎、乳房付近の筋肉痛、肋間神経痛などで痛みが出ている場合もあります。

シコリがあっても乳がんとは限らない!?

シコリを発見すると、誰もが「自分は乳がんなのか」と考えてしまうかもしれません。
もちろんシコリや上記の症状は、乳がんの可能性を疑うサインのひとつではありますが、かといって全てが乳がんの症状であるとは限りません。
特に、シコリがあっても乳がんではない症状には、次のようなものがあります。

・腺維腺腫
・乳腺症
・乳腺炎
・葉状腫瘍
・乳管内乳頭種

腺維腺腫

<特徴>
・20~30代に多く、50代以上の人に新しく発症することは少ない。
(以前からあったものが50歳を超えて初めての検診などで初めて指摘されることはよくあります)
・シコリは形が丸く、弾力があり、指で押すと動く。

乳腺症

<特徴>
・30~40代に多い。
・両方あるいは片方の乳房に、相前後してシコリができる。
・シコリは平たく、表面はなめらかなことも、ブツブツしていることもある。
・痛みがある。
・月経前の時期に大きくなり、痛みが強くなることもある。月経が終われば痛みは軽くなる。

乳腺炎

<特徴>
・乳房が赤く腫れて熱を持ち、大きな痛みがある。発熱や寒気を伴うこともある。
・授乳期に乳腺に滞った母乳が原因となるほか、乳首から乳腺に細菌が入り発症する。

葉状腫瘍

<特徴>
・楕円形の弾力があるシコリができる。急激に大きくなることがある。
・多くは良性の腫瘍だが、悪性と良性の中間型も存在する。
 再発のたびに悪性度が高まる傾向があるといわれているため、何度も再発する場合は注意が必要。

乳管内乳頭種

<特徴>
・乳頭から血の混じった分泌物が出ることがある。
・乳頭に近い、太い乳管の中にできるが良性の腫瘍である。

月に1度の自己検診からの早期発見

乳がんは体の表面にできるため、自分で見たり触ったりすることで発見しやすいがんです。そのため、他のがんと比べても、自身で発見することが多いのも、乳がんの大きな特徴といえるでしょう。
乳がん患者さんの50パーセント以上は、自分で乳房の変化に気づく、つまり自己検診によって病院での検査を受けているようです。

前述のとおり、乳がんの早期発見にシコリや、他の症状が大きく関わってきます。
自分が触ってわかるシコリの大きさは、約2cmといわれています。そしてシコリが2cm以下の状態で見つかることを、早期発見といいます。
触ってわかる大きさよりも、小さな状態で見つける――何だか矛盾しているようにも思えますし、それは無理じゃないかと思われるかもしれません。
そこで日々、自分の体をチェックしながら、小さな異変に早く気づくための自己検診なのです。

それでは、自己検診について詳しく説明していきましょう。
まず成人女性の場合、月に1度は自己検診を行ってください。
自己検診の時期は、乳房の張りが引いてやわらくなり、シコリなどがわかりやすくなる月経開始5日目から1週間の期間が最適でしょう。
自己検診には、次の2つのチェック法があります。

・鏡の前で、目で見るチェック法
・自分の手で触ってみるチェック法

月に1度、毎回この2つのチェック法を行ってください。生理がある年代のうちは、生理開始後の乳房が柔らかい時期のほうが自己検診に向いています。
また、普段から乳房を触ったり観察しておくと、自己検診の際に乳房の小さな違いに気づくことにも繋がります。

鏡の前で、目で見るチェック法

<チェックする箇所>
乳房の大きさや位置の左右差、腫れ、くぼみ、引きつれ、乳輪の変化、乳首のへこみ、湿疹、皮膚の色の変化など

1)上半身が映る大き目の鏡の前で、腕を高く上げ、頭の後ろで組む。
2)チェック箇所を確認する。
3)腕を下ろして腰に当て、乳房にシコリやくぼみがないかもチェックする。

自分の手で触ってチェックする方法

<チェックする箇所>
乳首、乳房、鎖骨、肋骨の端、胸骨の真ん中、脇の下
<チェック内容>
乳首のシコリや凹凸、脇の下の腫れやシコリ、乳首からの分泌物、各箇所の硬さ、普段と比較しての違和感など

1)左の乳房をチェックする時は、右手の4本の指を揃え、
 指の腹と肋骨で乳房を挟むようにし、「の」の字を描くように指を動かす。
2)右の乳房は、左手の指で同じように動かしてチェックする。
3)乳房と乳首を指先で搾り、乳首から分泌物が出ないかどうか調べる。
4)乳房が大きい場合、あるいは下垂気味の場合は、仰向けで行う。
 この時、触る乳房のほうの腕を上げ、もう一方の手で触って確認する。

自己検診後は……

自己検診で異常を発見したら早めに医療機関で検査を受けること。

自己検診と乳がん検査を連携させることが大切です。
そこで、自己検診の内容はノートなどに記録しておくことをお勧めします。
シコリなどの変化や、痛みの度合い、小さな変化も細かく記しておきましょう。
異常を発見し、医療機関を受診する際にその記録を専門医に見せると、診察や治療もよりスムーズに行うことができるはずです。

自己検診医療機関の検査の連携を!

自己検診で異変に気づいても、そのまま放置していては、何の意味もありません。
シコリなどを発見すると、「自分は乳がんなのか?」と不安や恐怖を感じるでしょうし、その恐怖によって医療機関から足が遠のくことも十分に考えられます。
しかし乳がんは、繰り返しになりますが、早期発見によって適切な治療を受ければ、90パーセント以上はほとんど生命に影響を及ぼさず治癒できる病気です。
早期発見・早期治療により、身体に影響を及ぼすこともある化学治療を受けなくて済むこともありますし、治療期間の短縮・治療費用の軽減に繋がるなどのメリットもあります。
また、ご紹介したように、シコリがあっても必ずしも乳がんとは限りません。それも自己判断で終わらせず、必ず医療機関を受診しましょう。
乳がん検診と合わせて、自己検診を行うようにしましょう。

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