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乳がん検診を受けないのは、なぜですか? ~自分に合った病院を探すためのポイント

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乳がんは「早期検査」「早期発見」「早期治療」によって治ることが多い病気です。
ステージ0=超早期乳がんの5年生存率は97パーセントと、非常に高い数字で、この段階で乳がんを発見するためには、定期検診を受けることが不可欠だといえるでしょう。
しかし、アメリカやヨーロッパなど、他の先進国の受診率は8割を超えているのに対し、日本の6割以上の女性は乳がん検診を受診していない、という調査結果があります。
なぜ日本はそうした国々と比べて、乳がん検診の受診率が低いのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。
今回はなぜ日本の乳がん検診の受診率が低い理由と、検診や病院探しのポイントをご説明します。

日本で乳がん検診の受診率が低い4つの理由

なぜ日本の6割の女性が乳がん検診に行かないのでしょうか?
患者さんとお話してみると、検診に対して主に次のようなイメージがあるようです。

・「乳がんです」と言われるのが怖い
・検診は痛い、恥ずかしい
・仕事や子育てで忙しい
・若い女性にとって費用が高い

「乳がんです」と言われるのが怖い

検診を受けて「乳がんです」と言われたら怖いから行けない――。
そのため、実は自覚症状が出ているにも関わらず、検診に行かないまま乳がんが進行した時点で病院に来る患者さんは、少なくありません。
このような患者さんの多くは、「もっと早く検診を受けていればよかった」と言います。
もちろん検診で乳がんが見つかると、ショックを受けることでしょう。
かといって検診を先延ばしにしても、よいことは何ひとつありません。自覚症状がないうちに乳がんを発見するための検診です。
さらにいえば、検診は病気を発症していないことを確認し、「乳がんと言われたら怖い……」という不安から自分自身を解放するための方法のひとつでもあるのです。

検診は痛いし、恥ずかしい

乳がん検診は、イメージがよくない検診の代表格のひとつではないでしょうか。
たとえばマンモグラフィ検査を受ける際は、まず上半身は裸になり、機械に胸を押しつぶされ、さらに技師さんに自分の胸を触られます。その時、痛みを伴うこともあります。
ただ、マンモグラフィ検査では、なるべく乳房の厚みを薄くするなどして画像解析の精度を上げる必要があります。技師さんが胸を触るのも、あくまで撮影のためです。
また、以前はマンモグラフィ撮影の技師さんといえば、男性が多かったので、見ず知らずの男性に裸を見られたり、胸を触られる……というイメージが強かったのかもしれません。
最近では、女性の技師さんも増え、乳腺科の医師が全員女性というところや、なかには女性専用のクリニックもあります。

仕事や子育てで忙しい

仕事や子育てが忙しくて、なかなか検診に行くことができず、知らない間に乳がんが……というケースもあります。
平日の日中は仕事で忙しい人であれば、今は土日や夜に受診できるクリニックもありますので、ぜひ探してみてください。

若い女性にとって費用が高い

年々、乳がん検診の認知度は高まっているものの、まだまだ若い女性のなかでは検診への意識が低い傾向にあるようです。
その理由のひとつに、乳がん検診の費用の問題があります。
各自治体が送付する「検診クーポン」があると、乳がん検診を無料もしくは割引価格で受けることができるのですが、多くの自治体がクーポンの対象年齢を40歳以上と定めているのです。
そのため、若い女性のなかには、検診クーポンの存在すら知らない人もいます。
クーポンの対象年齢が40歳以上となっているのは、乳がんを発症する確率が最も高いのが40代以降だからかと思います。かといって、40代未満の女性が絶対に乳がんにならないわけではないのです。
しかし、特に20代女性は乳がん検診を受ける場合、費用は全額、自己負担となります。若い年代の女性にとっては大きな金額なので、懐具合を考えて二の足を踏んでしまうのも仕方ないかもしれません。
しかし乳がんの早期発見のため、20代、30代のうちから検診を受けておいてほしいところです。

検診費用が無料になる? 乳がん検診クーポンとは

乳がん検診クーポンは、無料もしくは割引価格で、自治体が行う集団検診や、提携病院での検診を受けることができるという仕組みです。
費用が無料になるか、あるいは割引価格になるかは自治体によって異なります。
乳がん検診費用は本来、1万5千円ほどかかりますが、クーポンによって無料もしくは数千円程度で受けることができるようになるのです。
注意しておいてほしい点はふたつ。まずクーポンを使って受けられる検診の内容は、自治体によって違います。受診の前に、必ず受けられる内容を確認しておきましょう。
また、クーポンには有効期限があります。多くの場合、乳がん検診クーポンは年度始まりの4月から送付され、有効期限はその年度末(2月か3月)となっています。
この有効期限に気をつけるとともに、たいてい年度末には駆け込み受診が増え、病院も混み合って予約が取れないケースも出てきますので、計画的に受診してください。

乳がん検診を受ける病院選び4つのポイント

乳がん検診を病院で受ける場合、病院によって検診の精度が変わってきます。
検診を行っている施設は主に、大学病院や総合病院に併設されている検診施設、乳腺がん専門クリニックです。また、乳がん検診を行う乳腺外来や産婦人科もあります。
そのなかから病院を選ぶポイントとして、よく「大きな病院で診てもらったほうがよい」という声も聞きますが、必ずしも病院の大小が検診の精度を決めるわけではありません。
病院を選ぶ際に見ていただきたいポイントは、次の4つです。

・乳腺専門医がいる
・検査機器が揃っている
・マンモグラフィの読影医がいる
・病院と自宅の距離が遠すぎない

乳腺専門医がいる

乳腺専門医とは、必要な試験に合格して、日本乳癌学会から認定された、乳腺に関するプロフェッショナルです。
乳がんに関する確かな知識や手術の技術を持っているので、検診を受ける病院を選ぶ際は、乳腺専門医がいるかどうかを確認してみるとよいでしょう。
日本乳癌学会のホームページでは、「乳腺専門医一覧」を公開しています。
このページを見ると、専門医は大きな病院に勤務していることが多いようですが、大学病院の医師は周辺の病院や医院でも出張して乳腺外来を行っているケースがあります。
また、乳腺専門医がいる病院に行っても、場合によっては別の医師が検診を担当することもあります。しかし病院では「カンファレンス」(医師同士による会議)を行い、患者さんの情報を共有しているので、安心して受診してください。

検査機器が揃っている

医療機器は日々進化しており、どの機器を導入しているかによっても検診・診察内容が変わってきます。
乳がんの検診・診察に使われる機器としては、マンモグラフィ、超音波(エコー)、MRI、CTもしくはPET-CT、PEMなどがあります。

 

マンモグラフィの読影医がいる

マンモグラフィの読影医とは、マンモグラフィの撮影画像から診断を行う専門医のことです。
乳がんのなかには、専門医でなければ見つけにくいものもあります。このマンモグラフィ読影医は、日本乳がん検診精度管理中央機構が実施する試験を受け、試験結果によりAからDまでの4ランクにわけられます。
Aランク、Bランクと認定を受けた医師は、同機構のホームページに「検診マンモグラフィ読影医師リスト」として掲載されています。試験の結果がCもしくはDであった場合は、「不合格」とされ、ホームページには掲載されません。
最も大きなポイントは、Aランクの医師の診療を受けても、そうではない医師の診療を受けても、患者さんが負担する医療費は変わらないということです。
だとすれば、より専門性の高い医師の診療を受けたほうがよい、と考えることもできます。

病院と自宅の距離が遠すぎない

自宅から無理なく通える距離にある病院を選ぶことも大切です。遠いと検診に通うのもおっくうになりがちです。
また、乳がんと診断された場合に治療するときにも、通院が便利な病院のほうがお勧めです。
乳がんの治療が始まると、入院、手術、治療、検査などで何度も病院に足を運ぶことになります。特に体調が悪い状態で通うことになるので、自宅から病院までの距離が遠いと、大変になって次第に足が遠のいてしまうことも考えられます。
そこでここ最近、「病診連携」が進んでいます。「病」とは病院、「診」とは診療所をさします。
たとえば手術や抗がん剤治療は大学病院で、定期検査やホルモン治療などは自宅の近くにある病院(診療所)で受け、大学病院と近くにある病院で連携して治療を行っていくことを「病診連携」もしくは「医療連携」と呼んでいます。
ずっと1人の医師に診療してもらいたい、という気持ちを、多くの患者さんが持っていると思います。しかし大学病院の混雑を回避したり、自宅からの通いやすさも考慮しながら、この病診連携について検討してみてください。

いきなり大学病院に行ってはいけない!?

乳がんの検査を受ける場合、気をつけていただきたいことがあります。
それは「いきなり大学病院に行かないでください」ということです。
なぜかというと、医療施設にはそれぞれの役割があり、その役割に沿った診療を行っています。
乳がんに限らず、体に何か不調を感じたりした場合は、まず地域にある診療所(クリニック)を受診し、必要があればそのクリニックから紹介状をもらい、大学病院へ行くという形が望ましいのです。

大学病院へ行き、混雑しているため待ち時間が長かった、という経験のある方も多いのではないでしょうか?
患者さんがひとつの病院に集中してしまうと、それだけ1人の患者さんに対して丁寧な診療を行えなくなる可能性もあります。また、混雑のために大学病院でしか治療を受けられない病状の患者さんの妨げになってしまう恐れもあります。
そのようなケースがないように存在しているのが、病診連携です。この医療連携制度をうまく活用していただければ、と思います。

自覚症状があったら検診ではなく診察へ

「何も自覚症状がないから」と乳がん検診に行かないという方がいますが、それは大きな誤解です。
乳がんは自覚症状がないまま進行することが多く、いざ気がついたときには症状が進んでいることが多いのです。
一方で、「自覚症状があったから検診に行く」というのも違います。シコリがあったり、乳頭から赤色や茶色の液体が出るといった自覚症状があった場合は、検診ではなく病院で診察してもらってください。
その時点で検診の予約を入れていたとしたら、予約をキャンセルし、すぐにお近くの病院で診察を受けてください。
また、自覚症状がある人は、乳腺科を受診してください。なかには産婦人科で乳がん検診の触診を行っている場合もありますが、実際の診察・治療は産婦人科では行いません。必ず乳腺科を受診するようにしましょう。

 

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