乳がんの基

乳がんの検査と治療は必ず乳腺科へ ~ 乳腺科と婦人科の違いは?

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乳がん検診はどこで受けられるの?

厚生労働省が発表した 「人口動態統計」によると、2016年の乳がんによる死亡数は14,013人(概数・女性)と増加し続けています。
また、国立がん研究センターがん対策情報センターの調査では、生涯に乳がんを患う日本人女性は、現在11人に1人。
女性のがんの中で最も多いがんではありますが、早期発見して適切な治療を行えば完治する病気です。

2015年、メットライフ生命保険が20代から50代の女性に対して行なったアンケート調査によると「乳がん検診を受ける必要があると思いますか?」という質問に対して84.0%の人が必要と回答しています。

乳がんの検診と治療は乳腺科で

このように乳がん検診への意識が高まっている一方で、「乳がん検診を受けようと婦人科へ行った」という人は少なくありません。
婦人科でも乳がん検診を行っているところもありますが、基本的に乳房の疾患をみるのは乳腺科であることを覚えていてください。

乳腺科と婦人科の違い

乳房というと婦人科のイメージがありますが、婦人科は子宮・卵巣などが専門であり、乳房は乳腺科(乳腺外科)になります。
乳房に関しては、婦人科は専門外ということになります。
乳がん検診を受けて要精査の結果が出た、乳がんの疑いがある場合は乳腺科で再検査を受けることになります。

乳がん検診の流れ

視触診

目視で乳房のくぼみや引きつれがないかを確認、次に手でシコリの有無、リンパの腫れが
ないか、乳頭から分泌物がないかを診察します。

マンモグラフィ検査

乳房を板で挟んでX線を照射する乳房専用のX線検査装置がマンモグラフィです。

乳がん検診機器:マンモグラフィシコリになる前の小さな乳がんも発見できることから、マンモグラフィ検査は乳がんの早期発見に大変有効です。

ただし、乳腺がよく発達したデンスブレストと呼ばれる乳房の人の場合、マンモグラフィではがんも白く写るのに乳腺そのものが真っ白く写ってしまうため、腫瘍の発見が難しくなります。
この場合は超音波検査も併用して受けてください。

なかには、マンモグラフィ検査に対し「受けた人が痛いと言っていた」「以前受けたとき
痛かった」という理由で、苦手意識を持つ方がいらっしゃるかもしれません。

マンモグラフィは板で乳房を平たくして撮影するため、場合によっては痛みを感じることがあります。
月経前、乳房が張った状態はどうしても痛みを感じやすくなるため、月経前を避けて検査を受けるとよいでしょう。

超音波検査

超音波器具をあてて乳房内部をチェックするもので、妊娠中に胎児を診るのと同じ方法です。

乳がんの超音波検査(エコー)超音波検査は、シコリを見つけるのは得意ですが乳腺の石灰化(カルシウムが付着した状態)の発見はマンモグラフィのほうが得意です。
(乳房の石灰化は老化や分泌物がつくことなどによって起こりますが、がん細胞が壊死したものによって起こる石灰化もあります)

乳がん検診で要精査と診断された場合は乳腺科を受診してください。
検診で異常を指摘されても必ず乳がんというわけではありませんので、過度に心配することはありません。
検診の結果が異状なしであれば、定期的にセルフチェックと乳がん検診を受けましょう。

要精査について

要精査では検診で異常を指摘されたものの再確認として、まずはマンモグラフィと超音波検査の両方が行われることが多いです。
ここで腫瘍や石灰化など疑わしいものがあれば、それに対して細胞診や組織診が行われます。

細胞診

シコリの部分に細い注射針(0.7ミリ程度)を刺して陰圧をかけて細胞を吸引して採取、顕微鏡でがん細胞かどうか調べる方法です。
痛みは採血や注射と同じ程度です。
乳頭からの分泌物があるときは分泌物を、乳頭にただれ(びらん)がある場合は、その個所をこすって採取します。

組織診(針生検)

乳がんの検査には細胞診・組織診断もあります細胞診で判断がつかない場合、細胞診では細胞が採取しにくいと思われるとき、悪性の可能性が高いときに行います。

局所麻酔をしてからボールペンの芯くらいの針をしこりに刺し、糸ミミズくらいの組織を2センチ程度の長さで取ります。
組織診は細胞診よりも情報量が多く、診断もより確実です。
※診断がつく確率が9割以上と高いため、最近では組織診を優先させる傾向があります。

組織診を行うことで手術前にがんの性質や性格をある程度把握できるため、

① 今後の治療計画が立てやすい② 細胞診で診断がつかず、2度検査する

という、受診者への負担を減らすというメリットも大きいといえるでしょう。
ただし、しこりの場所によっては組織診がしにくかったり、出血しやすい病気を持っていたり薬を飲んでいたりなど、必ずしも組織診が向かないこともあります。

摘出生検

細胞や組織で診断がつかない場合や、場所によって難しいケースもあります。
この場合、局所麻酔をして、シコリそのものを取り出して検査することがあります。これを「摘出生検」といいます。
摘出されたものががんだった場合は、ほとんどの場合において追加でしこりの周りとリンパ節を取る手術が必要になります。

これらの精密検査の結果で、良性か悪性(がん)か診断が下されます。
良性であれば引き続きセルフチェックや定期検診を受けましょう。

しかし良性という結果であっても、シコリがどんどん大きくなってきた、皮膚表面にくぼみが出てきた、分泌液がみられるなど異常が感じられる場合は、次の検診を待たず乳腺科にかかるようにしてください。

乳がん以外の乳腺疾患について

乳腺症

30~40代に多く見られる良性の疾患です。
乳腺そのものがしっかりとしていたり、生理周期などのホルモンバランスの変動などにより起こる場合などがあります。

症状としては乳房のシコリ、張り、痛みがある、乳頭から分泌物がみられる、などがあり、卵巣からのホルモン分泌が活発になる生理前に症状が強くなる傾向がみられます。
生理が終わると軽くなる場合も多く、閉経後は症状が自然に緩和されるケースが殆どです。

乳腺炎

乳がんと乳腺炎を間違わないように検査が必要です乳腺炎は乳腺になんらかの原因でばい菌などがついて炎症を起こすものです。

多くの場合は母乳がたまったり詰まったりすることが原因になりますが、出産経験がなくても乳輪や乳頭に傷ができた際に、細菌感染が原因で炎症を起こすケースもあります。
症状としては乳房のシコリ、腫れ、痛み、発熱、熱感などがあります。

乳腺線維腺種

若い年代の中で最も多いしこりです。
基本的には治療の必要はありませんが、3cmを超えるものの場合は巨大になる可能性があるので摘出手術がすすめられる場合があります。

もし乳がんと診断されたら・・・

要精査で乳がんと診断された場合は、乳腺科もしくは乳がん治療設備が整った医療機関にかかりましょう。

乳がんの早期発見が大切なのはわかっていたけれど「いざというとき、どうすればいいのかわからない」のと、「どの病院へかかって、検査結果によってどう対処していけばよいのか、理解できている」のとでは雲泥の差があります。
今のうちに定期検診や治療を受けられる医療機関を調べておくとよいでしょう。

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